RTF を Markdown にオンラインで無料で変換

オンラインで RTF ファイルを Markdown に無料で変換します。ファイルをアップロードすると、クリーンで LLM 対応の出力が即座に得られます。サインアップなし、ファイルあたり 50 MB、何も保存されません。

RTF を Markdown に変換する:1987 年生まれの形式から構造を取り出す

.rtf ファイルをテキストエディタで開くと、 {\rtf1\ansi\deff0{\fonttbl{\f0 Times New Roman;}}\b Heading\b0\par のようなものが見えます。 Rich Text Format の仕掛けはこれで全部です。素の ASCII に制御語が撒かれているだけで、\b で 太字が始まり、\b0 で終わり、\par で段落が切れ、波括弧がスコープを作ります。 Microsoft がベンダーの違うワープロ同士で文書をやり取りするために 80 年代後半に設計したもので、 以来ほとんど変わっていません。

おかげで RTF から Markdown への変換は、比較的素直な翻訳作業になります。どちらも本文中に インラインで書式を書く形式だからです。太字は **太字** に、斜体は *斜体* に、 箇条書きは箇条書きに、表はパイプ表になります。上にファイルをドロップすれば数秒で Markdown が出てきます。 無料、登録不要、50 MB まで、保存はしません。

いまだに RTF ファイルを渡される理由

2026 年に自分から RTF を選ぶ人はいません。それでも届きます。出どころはたいてい次のどれかです。

  • 裁判所と法務系のシステム。 電子申立てのポータル、反訳サービス、事件管理ソフトが RTF を 使い続けているのは、仕様が公開されていて安定しており、相手が 2009 年製のソフトで開いても崩れないからです。
  • 医療記録。 診療記録、退院サマリ、口述筆記の出力が、外から想像するよりずっと高い頻度で 電子カルテの RTF の塊として眠っています。
  • 行政・公共分野のやり取り。 理由は裁判所と同じで、最新の形式であることより 長期に読めることが優先されます。
  • WordPad。 何十年も既定の保存形式が RTF だったので、気軽に書かれた文書が大量に この形式で残っています。
  • メールの添付とリッチテキスト本文。 Outlook のリッチテキスト形式は RTF を吐くので、 MSG メールファイルから 中身を取り出すと出てきます。
  • 古い CRM や案件メモの入力欄。 Web エディタがまともになる前にリッチテキスト欄を 積んだアプリは、まずデータベースのカラムに RTF を入れています。

制御語と本文を見分ける

変換処理の仕事はこの二つを区別することに尽きます。RTF ファイルはフォントテーブル、たいていはカラーテーブル、 ときにスタイルシートを抱えたヘッダーグループから始まります。これらは本文ではなく文書自身の設定で、 短い社内文書ならファイルのバイト数の 3 分の 1 を占めることも珍しくありません。

ヘッダーの後が本体で、ここから制御語と本文が交互に並びます。Markdown にきれいに対応する制御語もあります。

  • 文字書式。 \b\i\ul は太字、斜体、 そして Markdown に下線がない以上は強調か、あるいは何もなしになります。定義語に下線を引く文書、 つまり契約書の類ではこれは実際の情報損失です。
  • 段落と改行。 \par\line が段落区切りと改行になります。 ここは素直です。
  • 箇条書き。 \pntext と、新しめの \listtable の仕組みが 箇条書きと番号付きリストになります。元がレベルをきちんと宣言していれば入れ子も保たれます。
  • 表。 \trowd\cellx\cell が行とセルの境界を 明示しているので、Markdown のパイプ表に確実に復元できます。 RTF からプレーンテキスト ではなく Markdown を選ぶ理由は主にこれです。表を平坦化すると、どの値がどの列にあったかは二度と戻りません。

厄介なのは見出しです。RTF は \stylesheet に名前付きの段落スタイルを持っていて、書き手がそれを 使っていれば「見出し 1」が # に対応し、本物の文書構造が得られます。ところが RTF は直接書式を 当てることもできます。行を 18pt の太字にすれば終わり、という書き方で、現実のファイルの多くはそうやって 作られています。変換した RTF が構造を持たず、見出しであるべき場所がただの太字行になっているのはこのためです。 元のファイルは「見出し」とは言っていません。「大きくて太い」としか言っていないのです。

埋め込みオブジェクトは出てこない

RTF は本文中にバイナリを抱えられます。画像は 16 進エンコードされた \pict グループとして、 OLE の埋め込み、たとえばリンクされた Excel の範囲や Visio の図、数式オブジェクトは \object グループとして入ります。スクリーンショットを 3 枚貼っただけの RTF が、見た目はテキストなのに 12 MB になるのは これが理由です。

そのどれも文字にはなりません。ここに OCR はないので、表のスクリーンショットはスクリーンショットのままです。 埋め込まれた表計算オブジェクトは、一緒に保存されていたプレーンな描画結果だけを残します。それも部分的な ことがあるので、数字が重要なら元のブックを手に入れて Excel から Markdown にかけてください。脚注とコメントはテキストとしては残るものの、アンカーされていた位置ではなく本文の末尾に まとまって出てくるので、当てにする前に位置を確認してください。

RTF は DOCX より素直です、本当に

DOCX は ZIP アーカイブで、中に本文の XML、リレーションシップのファイル、スタイルのパート、番号付けの定義、 コンテンツタイプが入っています。構造が何か所にも分かれていて、互いに参照し合います。変換自体はうまくいきますが、 とにかく量があります。

RTF は上から下まで読める一本のストリームです。圧縮されておらず、壊れる ZIP の層も参照グラフもありません。 変換結果が妙なときはファイルをテキストエディタで開いて理由を目で確かめられます。現代のオフィス形式では こうはいきません。規制の厳しい業界がこの形式を使い続けたのは、まさにこの透明さのためです。

引き換えに、RTF の構造表現は語彙が薄いです。意味的なセクション分けはなく、スタイルの強制力も弱く、 メタデータと呼べるものもほとんど追跡されません。同じ文書が両方の形式であるなら、たいてい DOCX のほうが 豊かな見出し階層を出します。 Word から Markdown がこのページの現代版に近く、選べるなら良い選択です。

古いファイルに残るエンコーディングの癖

RTF は Unicode が定まる前から存在していて、2000 年代半ばより前に書かれたファイルにはそれが表れます。 見分けておきたいパターンがいくつかあります。

  • コードページの宣言。 ヘッダーには \ansicpg932 のような宣言が入ります。 これは日本語版 Windows で作られたファイルの値で、欧米圏なら 1252、中欧なら 1250、旧 Mac ならまた 別の値になります。この宣言が間違っていたり欠けていたりすると、文字がまるごと別の字に化けます。
  • 16 進エスケープ。 非 ASCII 文字は \'82\'a0 のような形で現れます。 これは CP932 における「あ」で、変換した古い文書に妙な文字が混ざる最大の原因がこのあたりの取り違えです。
  • フォールバック付きの Unicode。 新しめのファイルは \uN? を使います。 数値が Unicode のコードポイントで、後ろの文字はそれを理解できない古いリーダー向けの代替です。 正しく扱えば本来の文字が、雑に扱えば代替の疑問符が残ります。
  • 仕様に沿っていない RTF。 波括弧の対応が崩れていたり、勝手な制御語が入っていたり、 グループが途中で切れていたりする RTF を吐くツールは山ほどあります。多くの変換処理は持ちこたえますが、 壊れたファイルは途中で終わり、半分だけの文書が残ります。出力が文の途中で止まったら元を疑ってください。

実務的な助言としては、変換後の Markdown を眺めて、引用符やダッシュ、日本語の名前があるはずの場所に 疑問符や下駄記号が出ていないかを確認してください。5 秒で済み、残りを信用してよいかが分かります。

RTF から Markdown への変換が効く場面

  • 契約書のレビュー。 番号付きの条項が Markdown でも番号付きのまま残るので、特定の条項に ついてモデルに尋ねれば、要約ではなく実際の条番号を挙げた回答が返ってきます。
  • 古い文書一式の移行。 RTF の手順書が入ったフォルダを Markdown に変換すれば、 そのまま git リポジトリに置けます。差分が取れてレビューできる状態になるのはこれが初めてです。
  • 診療記録。 表形式の所見が表のまま残るので、要約がセクションを混ぜずに済みます。
  • コードと一緒にアシスタントへ渡す。 古い仕様書を変換して、 テキスト化した GitHub リポジトリ と並べれば、モデルは要求と実装を同時に見られます。
  • 貼り付ける前に量を確かめる。 出力の下のトークンカウンタが、長い文書のコストを教えて くれます。切り詰めエラーで気づくよりずっと有用です。

ページ上部の形式トグルは Markdown とプレーンテキストを切り替えますが、選択済みのファイルはそのまま 引き継がれるので、両方出して見比べるのはワンクリックです。

よくある質問

RTF ファイルを Markdown に変換するには

上に .rtf をアップロードすれば、きれいに対応する範囲で書式を保った Markdown が返ってきます。太字、斜体、箇条書き、そして表はパイプ表になります。無料、1 ファイル 50 MB まで、登録不要。.md としてダウンロードできます。

RTF に Markdown 化するだけの構造はありますか

DOCX より少なく、プレーンテキストより多い、という位置づけです。RTF が記録しているのは意味ではなく見た目で、ある行が 18pt の太字だったことは知っていても、それが見出し 1 だったことは知りません。だから見出しは見た目から推測するしかなく、推測は完璧にはなりません。太字、斜体、箇条書き、表は確実に対応しますが、文書全体の構造は最善努力です。

見出しは正しく認識されますか

場合によります。見出しのサイズが視覚的に揃っている文書なら、たいていまともな構造が出ます。書き手が目分量でサイズを変えていたり、段落の途中で強調のために太字を使っていたりすると、意図しない場所に見出しが立ちます。出力の冒頭を読んで手で直してください。思ったより早く終わりますし、直すのは一度きりです。

2026 年になっても RTF が出てくるのはなぜですか

ほとんどは古いシステムからのエクスポートです。事件管理システム、医療記録ソフト、古い会計パッケージ、行政の文書処理は、仕様が文書化されていて安定しており、どのワープロでも開けるという理由で今も RTF を吐きます。だからこそ、そのフォルダを変換する仕事が今でも発生します。

RTF は Markdown とプレーンテキストのどちらにすべきですか

読みやすさを保ちたい書式付きの文書、たとえば手紙、報告書、ひな形なら Markdown です。大量のファイルを処理して本文だけが欲しいなら プレーンテキスト で、RTF ファイルの出どころを考えるとこちらのほうが多いはずです。

ほかのツール

RTF はここで扱う 13 形式のうちの一つです。 File2Txt なら 1 回の アップロードでどれでも受け付けます。知っておくと便利な関連ページとしては、レイアウト固定の文書に PDF から Markdown、電子書籍に EPUB から Markdown、保存した Web ページに HTML から Markdown、 古いファイルがアーカイブ丸ごとある場合に ZIP から Markdown があります。

コードと Web 向けには GitLab の変換ローカルフォルダの変換、 公開中のページを取得する Web2Txt があります。全体の考え方は LLM 向けに文書を用意するガイド で説明しています。

Repo2Txt を開発・運用しているのは v12hero、 プライバシーを最優先にしたネイティブアプリと Web アプリを作る独立開発者です。